高ボッチは、写真家の憧れの撮影地ではないでしょうか。車と多少の運転技術があれば、誰でも行ける撮影地です。眼下に広がる諏訪盆地は「東洋のスイス」と呼ばれ、諏訪湖を中心に精密機械工業が発達しています。
その奥には日本を代表する山、富士山が佇んでいる。
狙いと見頃
カメラマンがここを訪れる理由は、諏訪盆地に溜まる雲海である。街明かりに照らされた雲海は、鮮やかで見る人を魅了します。
雲海の出る見頃は、秋から冬です。前日の温度から当日早朝にかけて、気温が大きく下がると雲海が出る可能性が高まり、その差は10度以上が基準です。さらに夜が快晴ならば、放射冷却により気温が下がる可能性があり、このような日を狙って撮影に出かけるとチャンスが高まります。
撮影当日の情報
私が今回撮影した天気をご紹介します。
撮影日は6月22日です。前日は関東全域が梅雨入りした日でした。6月21日の天気は大雨、気温は18度。夕方以降は曇り、夜からは晴れ予報でした22日は4時から曇り、気温は11度でした。
気温差は7度しかないですが、前日の大雨と放射冷却で、場合によっては雲海が出ると予想しました。朝4時から曇り予報でしたが、朝焼けになる可能性を信じて行くことにしました。こういう賭けの天気が、面白い写真を撮るきっかけになります。
ルート開通
高ボッチに行くには、2つのルートを選ぶことができます。崖の湯ルートと、東山ルートです。2024年4月に東山ルートが開通し、道を短縮することができました。
東山ルートでナビを設定しようとしても、崖の湯ルートまで大回りする案内になってしまい、事前に調べておくことが必要です。以下外部リンクでご確認ください。
上記サイトで案内がある「東山公民館」に着いたら、地図を見ながら山道に進みます。約20分かかるので、日の出に間に合うように出発すると良いでしょう。
装備
Nikon Z 6
Z 50mm f/1.2 S
Z 24-120mm f/4 S
Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
Gitzo GT3543XLS
マルミ光機のフィルタ類
富士山まで距離があるので、50mm以上の焦点距離があれば安心です。
一番適切なレンズは70-200mmで、大体の構図はカバーできると思います。
車はBRZで行きました。スポーツカーでも問題なく登れる程度の山道です。
撮れた作品
この日は夏至、そして満月でした。満月が沈む頃、太陽が昇ってきます。
街灯りが雲海を照らしています。
適度に雲が出現してくれたので、朝焼けになりました。
ツツジと雲海のコラボレーションです。ピント面は富士山にしました。結構絞っていますが、若干ツツジがボケています。
単焦点ならではの柔らかさを表現しました。
開放f/1.2のレンズを絞ることで、周辺減光を抑えることができました。絞っても1.8なので、柔らかいボケが残っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。これほどまでの大雲海が夏に出たのは、とても珍しいと感じています。夏だからこそ、ツツジと雲海を一緒に撮影でき満足です。
秋の撮影は、雲海の確率がぐーんと上がる代わりに、極寒で撮影しなければなりません。富士山に雪が積もり、手前の木々も霧氷に覆われています。ー10度で待ちながら撮影できる装備を用意してくださいね。
最後までありがとうございました。